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映画 「パリ、テキサス」 私の最愛の映画といえば、断然、これであります。 [映画]

関東はまだ余震が続いており、1日に数回、建物が揺れます。映画館に行くのはちょっとばかり控えているところです。

封切り中の新作について書けないので、昔観た大好きな映画について書きます。

「今までに観たなかで、最も感動した映画は何ですか?」と聞かれて、皆さんんはすぐに答えられますか?躊躇がありませんか?私なら、その問いに対し、即座にこの作品をあげます。それほどに、ワタクシは本作を愛しているのであります。

その映画とは「パリ、テキサス」です。

パリテキサスDVD.jpgヴィム・ベンダース監督の1984年(ドイツ・フランス)作品。同年、カンヌ国際映画祭で最高賞(パルム・ドール)を獲得した名作ですが、ワタクシには受賞歴などどうでもよく、とにかく、猛烈に感動したってことです。観たのは1987年か1988年、場所は新宿の映画館でした。カンヌ映画祭 受賞作品特集みたいな企画で、ほかに、「ミッション」や「路(トルコ映画?)」が上映されていました。

さて、「パリ、テキサス」という映画。

舞台はパリ(フランス)ではなくアメリカ。焼けつくようなテキサスの砂漠を、トラビスという男がさまよっている場面から始まります。妻ジェーンに去られ、幼い息子と別れ、呆然自失で4年間を放浪していたのです。気力も体力も失った状態で発見されたトラビスは、弟夫婦に保護されますが、記憶すら失くした廃人のような兄に、弟は愕然とします。

これが「さわり」なのですが、何と言えば良いのでしょう、普通の娯楽作品のような「映画的展開」が、本作にほとんどありません。この先、いったい何がどうなるのやら、この調子が続くのか、と不安にさえなります。ドラマチックな展開や、いかにも、という泣かせ場面が挿入されるわけでもなく、あくまでも淡々、とつとつと物語が進みます。

そして全編を覆うのはライ・クーダーさんのスライド・ギターの音色。登場人物によりそうように、渋く、けだるく、ツボにはまりまくりですよ!(音楽は、見事な貢献をしています)

次第に回復したトラビスは、再会した息子(子役がいい味出してる)と心を通わせ、自分のもとを去った妻を探す「旅」に出ます。それは失った家族の絆を修復する道のりなんですね。ちなみに、山場のひとつであるこのシーンさえ、トラビスの強い決意表明があるわけでなく、淡々・・・と映画は進行します(観客の2割は爆睡?)。

クライマックス。最後の最後に、トラビスの別れた妻ジェーンが登場します。ここがスゴイ。演じているのがナスターシャ・キンスキーさんなんです。素晴らしい美人。ポスターに思いっきり写真がのってますから、妻役が彼女であることはバレバレなのに、スクリーンに彼女が登場した瞬間に、はっと息をのむ”空気の変化”が生じましたね。幼稚な表現ですが、うおお、出たあっ!って感じかなあ。

パリテキサス3.jpg

トラビスとジェーンの再会は、あまりにもイビツな形で果たされます。再会と言えるのかも分かりませんが、ここから人物の動きがほとんどない二人の「会話」と「表情」だけのドラマになります。時間にして10分もないシーンと思うのですが(20年以上前で記憶曖昧、すいません)、すんごい濃密な空気の中、短い時間に、淡々と語られる、「愛」の形、「人生の不条理」「絶望感」、もがき、苦しみ、それでも生きる意味・・・それらがバンバン心に響くわけです。

もう、どんな言葉を連ねても、ワタクシの思い入れを表現できないくらい素晴らしいんです。ナスターシャ・キンスキーさんも絶品。全身、ブルブルするくらいに。

この時点で完全ノックダウン、精神的にメロメロにになっちゃうワタクシでした。

パリテキサス1.jpg

ボーボーと涙を流したワタクシは、映画が終わっても涙が全然止まらないのです。なぜなら、映画の内容へ感動しただけでなく、「このような素晴らしい映画を、人間が生み出すことが出来た」ことへの感動、すなわち「映画の可能性」に心打たれたからです。「パリ、テキサス」は、それまで自分が観た映画とは、本質から違う世界だったんです。

カッコ良く言えば、この作品を観たから、ワタクシは胸をはって「自分は映画が好きだ」と言えるようになったんです。

魂を揺さぶられる体験をワタクシに与えてくれた、監督のヴィム・ベンダースさん、脚本のサム・シェパードさん、音楽のライ・クーダーさん(最高!)、出演者たち、とくにナスターシャ・キンスキーさん、もう本当に感謝しております。本作を観てから、早いもので20数年が経ちました。その間、1500本を超える映画を観てきたワタクシですが、やっぱり「パリ、テキサス」は自分にとってのベスト・オブ・ベストなんです。

パリテキサス2.jpg

で、ほんと、オレってバカだよなあ、と思ったこと。この文章を書きながら、「パリ、テキサス」のシーンを思い出し、今、ボーボーと泣いているのであります。どうかしてるぜ、オレ。涙線弱すぎ。あほかいな。

余談ですが、ワタクシがやっているもうひとつのブログ「門前トラビスのつぶやきピロートーク」ですが、門前トラビスの「トラビス」は、「パリ、テキサス」の主人公の役名からいただいたものであります。ハイ。


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コメント 2

azm

アッシーさん、ども!
今は出張先の新庄です。サイコロの旅、行脚中。
トラビスの由来、納得です。パリ、テキサス、見てみようと思います。
私の一押しは、セブン・イヤーズ・イン・チベットです。
by azm (2011-03-27 21:33) 

アッシー映画男

To azm様、コメントありがとうございます。
念のため申し添えますが、「パリ、テキサス」、途中で寝ないように、睡眠十分とった翌日に観ることをお薦めします。
ちなみに、子役は本当にいい味出してます。
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」、ブラピがカッコよかったですねえ。今の「ぶっ飛んだ」ブラピを考えると、けっこう地味な映画にも出てたのね、と感じますが、ブラピの良さは、むしろアクション映画よりも、こうしたヒューマンもので光るような気がします。(リバーランズ・スルー・イッツ、しかり)
しかし「セブン・イヤーズ・イン・チベット」を観たあとで、真っ先に思ったことは「7年どころか、10年くらいチベットにいませんでした?」でした。いろんな出来事が起きるので、映画の中での時間感覚がなくなっちゃいました。。。。
by アッシー映画男 (2011-03-27 22:56) 

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